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2011年2月22日 (火)

U-BROS5L/Hについて

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生産完了

設計意図について.............アナログ・ディスクの再生において、MCカートリッジを使用することは、音質の追求を主眼とした場合には、演奏のデリケートなニュアンスの表現力に関して、MM型を凌ぐ面を持っています。また、MC型にしか聴かれない繊細緻密なサウンドは、レコードを聴く楽しみを倍加させるほどの魅力です。しかし、そうしたMC型カートリッジの魅力も、優れた昇圧機構の併用により、初めて引き出せるものであり、いくらカートリッジに高品質なモデルを選択してみても、昇圧機構に問題がある場合には、そのカートリッジの持ち味を活かすことはできません。現在、昇圧機構としてはトランス式アンプ式の二種類があり、それぞれのメリットを競い合っていますが、当社では従来より,トランジスタ/真空管を問わずアンプ式に疑問をもっていました。その根本的理由は、MM型に比較して通常20デシベル以上もゲインの低いMC型カートリッジに対し、ローレベルでのデリカシーや繊細感に富むサウンドを、情報の欠落感なくステップ・アップさせてやるには、アンプ式では避けることのできない残留ノイズが大きな問題となってくるからです。プリ・プリアンプ、ヘッド・アンプに比べ、アクティブ素子を含まないトランス式が、SN比において格段に優れていることを、御理解していただけることでしょう。いかなる超高級設計であったとしても、トランス式に比べて、アンプ式の場合、SN比は極度に劣ります。増幅素子を持たないトランス式の昇圧機構は、コイルの直流抵抗分のノイズしか発生しません。 また、アンプ式の昇圧機構では、通常過度のネガティブ・フィード・バックによる特性改善を行なっていますが、単にカタログ・データを良く見せるための厚化粧では、本質的な意味で音質改善とは言えません。トランスによる昇圧は、一切のネガティブ・フィード・バックを必要としないため、見かけ上の特性ではなく、素顔の美しさがそのまま活きてくるのです。 しかし、それだけに、トランスによる音色の変化も大きく、優れたトランスでなければ、いたずらにカラーレーションをつけ加えるだけになります。また、せっかくのSN比も、誘導ハム対策が完璧でなければ、何の意味もありません。
U・BROSー5は、以上の諸点を様々な角度から検討した昇圧トランスです。

機構設計について.......
セパレーション特性を老化させないために、左右完全独立構造を採用しています。トランスをはじめとする信号系はもちろん、アース系も左右完全独立設計です。本機のシャーシ・アースは、コントロール・アンプぬ本体からアースされる構造になっています。外観はトランスをシャーシ上部に配し、機能に徹したシンプルなデザインに仕上げています。

トランスについて......
タムラ製作所との共同開発による特注仕様のトランスを使用しています。コアー材は極薄特殊パーマロイで、低域の歪率特性に優れ、また超高級の周波数特も極めてスムーズに伸びています。高域にピークのあるトランスは、一聴するとMC型カートリッジ独特の繊細感をうまく演出しているように思われますが、本当の繊細感とは、いかなる誇張感も感じられない、むしろ自然な耳当たりのことを申します。そして、よく聴き込むほどにその陰影の深さ、表情のニュアンスを自然に聞かせてくれるものです。本機のトランスは、高域のピークを100Kz以上の帯域に追い込んでおり、トランス自体のカラーレーションを聴き取ることはできません。オーソドックスに徹しきったトランスです。

アクセサリーについて........
インピーダンス切り替えスイッチがあれば、どのようなMC型カートリッジにもインピーダンス・マッチングがとれて大変便利です。しかし、音質面でのデメリットを忘れてはなりません。単に切り替えスイッチによる音質劣化が生じるだけではなく、たとえば40Ωと3Ω切り替え式のトランスに3ΩのMC型カートリッジを使用した場合には、0Ωと3Ω間のコイルは生きていますが、3Ω~40Ω間のコイルは何の働きもせずに遊んでしまうことになり、この遊んでいるコイルが、実は著しく性能を老化させてしまうのです。U・BROS5では、以上の理由により、コイルに切り替えタップを用いた併用型を避け、Lowインピーダンス型、Hiインピーダンス型、それぞれ専用のモデルを用意しています。.

誘導ハム/磁気歪対策.......
MC型カートリッジ用ステップ・アップ・トランスを用いて、誘導ハムに悩まれた方は多いと思います。本機では、通常の設計で起こりがちな誘導ハムを根絶やするために、様々な工夫を凝らしています。
シャーシは特級鉄材で構成し、トランスを多重シールド構造としたうえで、さらにトランスを大型銅メッキ鉄材ケース内にフローティングさせています。こうした多重の徹底したシールド構造によって、パワー・アンプ部のパワー・トランスの上に直接置く、という誤ったセッティングをしない限り、誘導ハムに悩まされる心配はありません。
一般には、鉄材をシャーシなどに用いると、磁気歪の発生を生じます。かといって、比磁性体であるアルミなどを使用すると、磁気歪の点で有利となりますが、シールド効果はなく、誘導ハムに対して不利になってしまいます。
誘導ハム対策を完璧にし、かつ磁気歪の発生を抑えたいという条件を満たすために.UーBROS5では、シャーシなどに鉄材を積極的に使用しながら、磁気歪の発生を抑えるため信号ラインの引き回しに、当社独自のノウハウをもりこみ配線し、問題点を一挙に解決しています。

特性について
MC型カートリッジの魅力をストレートに発揮させてやりたい、ということからカラーレーションを防ぐために、静特性/動特性に細心の注意を払っています。
ゲインは、Hタイプが10倍、Lタイプが25.8倍、となっています。Lタイプのゲインが、通常の昇圧トランスより少し低くなっていますが、これはあくまでクオリティー最優先として設計した結果です。左右完全独立構造を採用した結果、セパレーション特性は測定限界値に達しております。
アナログ・マスター、デジタル・マスター、を問わず、アナログ・ディスク・レコードの良さを、MC型カートリッジで漫喫していただける、MC型カートリッジ用昇圧トランスと自負いたしております。

主要規格
1次インピーダンス:3Ω(Lタイプ)/40Ω(Hタイプ)
2次インピーダンス:2KΩ(Lタイプ)/4kΩ(Hタイプ)
2次側適性負荷範囲:30~100KΩ
チャンネル・バランス:0.3dB以内
周波数特性:10~130000Hz(+1.0dB/ー0.5dB)
外形寸法:174(W)X125(H)X121(D)mm
重量:約2.5Kg

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