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2010年12月13日 (月)

UTY15について

Uty15_3  生産完了

UTY-15の配線

Uty15  配線にはプリント基盤を用いるのが一般的です。しかし、いくら高価なプリント基盤を用いても、プリント基盤固有の音が音楽に付加されてしまいます。したがって、UTY-15では上杉研究所のほかのアンプと同じく、手間暇のかかるラグ板配線としております。このラグ板配線は補強構造を採用した、1.6ミリ厚のメッキ仕上のメタルベースにガッチリと固定されていますから制振対策も完璧です。最近のアンプでは、プリント基盤による配線が常識となっていますが、これは製造コストを大幅に削減できるからであって、性能面で採用されているのでではありません、美しい音と直結する配線歴40年のベテラン職人グループによる美しい手作業配線にも御注目下さい。

UTY-15の使用部品

Uty15_4

トランス類は当社の他アンプと同様に、ISO製のトランス類の特徴は、信頼性が非常に高い事、バラツキが皆無であることに加えて、トランス設計技術スタッフがネガティブフィードバック(NFB)アンプを熟知していることで、その結果、NFBが非常に安定に掛かるという事です。私はISOのトランスを大変気に入っており、もっと早くISO製のトランスを使用しておけば良かったのに…、と後悔しています。

真空管は共産圏諸国で製造されたものではなく、すべて真空管全盛期に製造された優秀品を使用しています。ECC83は松下電器産業Kk製造の特注品、ECC82/6189はフィリップスECG製、6L6GCはGE製を使用しています。こういったヴィンテージ物の優れた真空管の豊富な在庫は、今では上杉研究所の宝物となっています。これらの真空管は定温度/定湿度につとめた地下室で保存しております。

抵抗/コンデンサー類はパナソニックエレクトロニック(旧松下電子部品)に特注した優秀品で、高信頼設計となっています。創業時から使用していますが、抵抗/コンデンサーが原因によるトラブルは一度も起こした事はありません。

シャーシは上杉研究所の他のアンプと同じく、精密板金加工の兵庫無線kkに依頼した特注品です。接合部にハンダを流してヤスリで仕上るといった凝った作業をしており、職人技が見事なシャーシです。補強板を各部に配し、必要充分な制振対策をしております。

UTY-15の回路構成

 真空管式/トランジスタ式を問わず、簡易型プリメイン型アンプに好んで用いられる回路構成は、パワーアンプ部をハイゲイン設計として、プリアンプ部を省略してしまう方式です。この方式のメリットは、信号通過系がプリアンプを通らない分だけシンプル化される結果、音の鮮度の老化が少ないという事です。SACDCDなどの信号源が理想のものあれば、この考え方に賛成ですが、CDよりも優れるSACDであっても、理想とは大きくかけはなれているのが実状です。したがって、プリアンプを通す事によって、より聞きやすい音/楽しい音を演出する方が良いと、上杉研究所では考えています。UTY15のプリアンプはECC83による1段構成NFとしており、14dB5倍)のゲインをもたせております。ボリュームコントローラーはプリアンプの出力側に設けているために、実用上のSN比が大幅に改善されています。したがって、高能率型スピーカーシステムと組合せてもSN比の面で問題を生ずる事はありません。パワーアンプ部は、高性能と高安定性を両立させたムラード型です。プリアンプ部のみならず、パワーアンプ部の初段と位相反転段のヒーターを直流点火とするという贅沢で手法により、優れたSN比を得ています。パワーステージにはプレート損失が30Wと非常に大きな6L6GCを使用し、これをウルトラリニア接続プッシュプル動作とし、高能率と高信頼性を両立させてします。6L6GCプッシュプル動作の場合、50W以上のパワーが取り出すことが出来ますが、UTY-15では20W+20Wと控え目な動作とし、信頼性と長寿命化を図っています。パワーステージのバイアス回路は、安定性の面で大変優れたセルフバイアス動作方式としており、1本の6L6GCに専用の1つのバイアス回路を設ける事により、高い信頼性を確保しています。ネガティブフィードバックは、出力端子から初段管のカソードに13dB掛けており、薄化粧をして音を整えています。出力には、16Ω3種類の端子を設けていますから、最新型のスピーカーからヴィンテージ物のスピーカーのすべてにベストマッチングいたします。パワーアンプの心臓部ともいえる電源部は、充分過ぎるほどの余裕度を持ったパワートランス、大容量コンデンサー、チョークコイルで構成しており、これがパワフルなサウンド/スケールの大きなサウンドの根源となっています。

UTY-15開発の動機

 英国のスピーカー・メーカーのタンノイ社からの要請により、2002年にタンノイ・スピーカー用ドライブアンプのUT-50を、エソテリックから発売させていただきました。UT-50にはタムラ製作所のトランス類を使用しており、400台限定生産品でしたが止むをえず270台で生産中止となってしまいました。生産中止の理由は、400%に近いトランス類の値上げの通知を受けたからです。上杉研究所へのトランス納入価格が約30年前から値上げ無しだった事を考えると、この大幅は当然といえましょう。性能が向上してもいないのに、そのトランス類を使用して、UT-50を大幅な値上げして販売することは、ユーザーの方達を騙すような結果となってしまいますので、UT-50270台で販売を中止とさせていただいたのです。タムラ製作所のトランス類の魅力は、上杉研究所への納入価格が安いことでした。パネルやツマミ、ステンレスパイプなど特注機構部品は、すべて400台分発注していた為に、残りの130台分の在庫があります。これを処分してしまう事は大変もったいないです。このような訳で、あまった機構部品を活用し、新しくプリメイン型アンプのUTY-15100台限定で発売させていただく事なった次第です。スペース的にセパレート型を使用することできない、といった方達にUTY-15をおすすめしたいこと考えています。シンプルな回路でまとめた、本格的なプリメインアンプを内蔵させていますので、UTY-15はお買い得品と自負いたしております。

担当林 泰夫...hayashi@dynamicaudio.co.jp

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