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2009年8月 4日 (火)

やわらかい宝石

「First Cuckoo」 Deodato

「このスープはおいしいですね。
      防弾チョッキのおかげです。」

本当に良いメロディは、
インサイドでもありアウトサイドでもあります。
当てはまってもいるし、ずれてもいるのです。

「このスープはおいしいですね。パンに合います。」
では、ありきたりすぎるし、
「このスープはおいしいですね。明後日です。」
だと、うまくつながらず意味不明です。
しかし「防弾チョッキのおかげです」ならば、
防弾チョッキを着ていたおかげで一命をとりとめた人物が、
その後の食事でスープを飲んだときに味覚を刺激され、
存命感を強く感じたことにより命の尊さに触れ、
スープが実際の味よりもおいしく感じられた。
などと想像できるわけです。

美しいフレーズやセンテンスは簡単に見つけることができますが、
美しい「つながり」を見つけるのは簡単じゃないですね。
文節は全体と違和感なく結合して初めて音楽になり、
刺激的で魅力があれば人の胸を打ちます。
必ずインでありアウトでもあるわけで、
そのバランスに個人差があるだけなんです。
もっと言えば、コーダル(垂直)でもありモーダル(水平)でもあるんです。
そして良い作品は見る人や聴く人にいろんなことを想像させます。

デオダートの音楽の特徴として、
夜の泥酔に砂と海水をかけて真昼にひっぱり出したような
作り方をしています。
この人のローズピアノはいつでも、やわらかい宝石みたいな音ですね。
大好きです。

人間にとっての精神的栄養の一つに
音楽があるならば、
音楽が成長するための栄養は、
人間の想像力に他ならないのです。


seki@dynamicaudio.co.jp

      

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